母と子、禁断の愛、恋と友情の間で悩む3つの異なる愛を描いた舞台

母と子の愛憎と葛藤、深いつかながりを描いたはかなくも妖しく哀しい魅惑的な世界

“エンタテインメントの天才”寺山修司が美輪明宏のために書いた伝説の作品『毛皮のマリー』の3年ぶりの再演。日本一ゴージャスな男娼・マリーと、マリーの養子で過保護なほどに愛されている美少年・欣也（きんや）による母子の愛憎劇で、母と子の深いつながりや家族のあり方、生きることの意味が描かれている。はかなくも妖しく哀しい物語にいろんな感情が揺さぶられる。豪華な衣装、エロティックなシーン、笑いの絶えない演出、哲学的なセリフなど、寺山×美輪ワールド全開。

婚約者のいる女性に恋する若き青年の儚い思い

詩人の青年ウェルテルが婚約者のいる女性シャルロットに恋をし、かなわぬ思いに絶望して自殺するまでを描いたゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』をオペラにした作品。出版当時ヨーロッパ中でベストセラーとなり、ウェルテルを真似て自殺者が急増する社会現象まで巻き起こした。美しく重厚な舞台が評判で、愛の歓びと苦悩に心をヒリヒリさせながら見入ってしまう。ドラマティックでわかりやすいストーリー、フランスらしい洒脱な音楽に、オペラ初心者でも一瞬にして虜になる。

1人の女性を同時に好きになる3人の男たちの恋と友情×女性の複雑な恋心

街で見かけたパリジェンヌのリズに一目で恋に落ちるアメリカの退役軍人ジェリー。彼の友人アダムもまたリズに思いを寄せていた。しかし、リズには婚約者アンリが・・・。パリを舞台に、1人の女性を同時に愛してしまう3人の男たちの複雑に絡み合う恋模様と、気持ちが揺れ動く女心をロマンティックに仕上げている。劇中で流れるのは、『アイ・ガット・リズム』など、日本でも馴染みのあるガーシュウィンの名曲。また、めくるめくようなダンスで繰り広げられる見ごたえたっぷりのステージに、いつしか惹きこまれていく。