役者と清元の二筋道!「吉例顔見世大歌舞伎」出演の尾上右近インタビュー

尾上右近事 清元栄寿太夫インタビュー

更新日:2018/10/29

2018年11月2日(金)から歌舞伎座にて上演される「吉例顔見世大歌舞伎(きちれいかおみせおおかぶき)」。元来、翌年1年間の出演者の顔ぶれを披露する顔見世として重要な意味を持つのだとか。そんな歌舞伎座の晩秋の風物詩に「役者」と「清元」(演目の唄い手)としての“二足のわらじ”で出演する尾上右近こと清元栄寿太夫(きよもとえんじゅだゆう)さん。歌舞伎界でも前例がない役者と清元の両立について、尾上右近さんの意気込みを聞いてきました。

歌舞伎座初!役者として、清元として、2つの役割で出演

――清元として初めて歌舞伎座に出演することについて
今年2月に清元栄寿太夫の名をいただいて、形だけの襲名とならないよう早く清元としてお客様を前に舞台を踏みたいと考えていました。それが11月は、清元として大変やりがいのある『十六夜(いざよい)清心』という演目であること、(歌舞伎の師である)菊五郎のおじさんが出演する舞台で初舞台を踏めること、(清元の師である)父と並んで舞台に立てることと、どれも喜びにあふれています。

――役者として出演する『法界坊』について
歌舞伎座で猿之助のお兄さんと共演したいとずっと思っていました。「ついにこの時が来たぞ」という思いと「こんなに早く実現するなんて」という、どちらにしても嬉しい思いでいっぱいです。清元のことと合わせて嬉しい思いが、たくさん詰まった「吉例顔見世大歌舞伎」なので、その分、準備も着実にしていきたいです。

色っぽさに注目してほしい「清元」の魅力

尾上右近事 清元栄寿太夫インタビュー

――歌舞伎の中で「清元」とはどんな存在で、どんな部分に注目すればいいでしょうか
物語のナレーションのような“唄の役”としてみてもらえたらいいと思います。古典の「唄」の中でも色々なジャンルがあるけれど、「清元」は高音があったり節回しが細かかったり音楽として楽しめる部分もあれば、歌詞として伝わってくる部分もあります。そして、特に日本人であれば伝わる「色っぽさ」が魅力でしょうか。

――清元と役者を両立させることについて
清元としての準備が役者としての準備の助けにもなると思っています。役者と清元の準備のバランスを取ろうと思うのではなく、清元もひとつの役として捉えて、すべて真剣に向き合うつもりです。
歌舞伎は日常を忘れさせるもの、日常を忘れさせることができる存在が歌舞伎俳優です。そのためには演じる自分自身が日常を忘れて役に夢中で取り組んでいきたいと思います。

<尾上右近/清元栄寿太夫プロフィール>

1992年5月28日生まれ。清元宗家七代目 清元延寿太夫の次男として生まれる。曽祖父である六代目尾上菊五郎に憧れ、歌舞伎俳優をめざし七代目尾上菊五郎に師事。12歳で二代目尾上右近を襲名。歌舞伎俳優としてのキャリアを積みながら清元としての稽古も続け、2018年2月に父の前名でもある清元栄寿太夫の名を襲名。2018年11月2日(金)から歌舞伎座にて上演される「吉例顔見世大歌舞伎」では役者として昼の部『お江戸みやげ』、夜の部『隅田川続俤 法界坊』に、清元として昼の部『十六夜清心』に出演する。

■公演情報

歌舞伎座百三十年「吉例顔見世大歌舞伎」

歌舞伎座百三十年「吉例顔見世大歌舞伎」
日程/2018/11/2(金)~2018/11/26(月) 昼の部 11:00開演~ 夜の部 16:30開演~
場所/歌舞伎座(東京都中央区銀座4-12-15)
料金/1等席18000円、2等席14000円、3階A席6000円、3階B席4000円、1階桟敷席20000円
アクセス/東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」3番出口より直通
東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A7番出口より徒歩5分。
【昼の部】
『お江戸みやげ(おえどみやげ)』
新歌舞伎十八番の内『素襖落(すおうおとし)』
『十六夜清心(いざよいせいしん)』
【夜の部】
『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』
『文売り(ふみうり)』
『隅田川続俤 法界坊(すみだがわごにちのおもかげ ほうかいぼう)』

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※記事は2018年10月29日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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