【イベントリポート】スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験!

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

尾田栄一郎さん原作の大人気マンガ「ONE PIECE」の世界を、現代風歌舞伎の手法で魅せるスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『ワンピース』。再演が待ち望まれていた話題の演目が、さらにパワーアップして新橋演舞場に帰還! 今回は、初日前に行われたゲネプロ(公開通し稽古)の様子をレポートします。

※市川猿之助さん休演につき、現在は代役にて上演。復帰の時期は未定です。

更新日:2017/10/18

話題沸騰!エンタメ要素満載の“ワンピース歌舞伎”

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

2015年10月・11月に新橋演舞場で初演を迎え、想像を超えたエンターテイメント性が話題となったスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』。その評判は瞬く間に口コミで広がり、原作ファンや歌舞伎ファンのみならず幅広い世代から支持を集め、のちに文化庁芸術祭優秀賞をはじめとする数々の演劇賞を受賞した。

開幕前の舞台上には大きく手をあげたルフィの等身大フィギュアと、浮世絵を彷彿とさせる波の絵。伝統と革新がコラボレーションした空間に迎えられ、開演への期待がますます高まる。やがて中村勘九郎さんと七之助さんが交互でナレーションを務める序章が始まり、いよいよ“ワンピース歌舞伎”の世界へ!

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で描かれる物語は、原作マンガの単行本51~60巻に収録されている「頂上戦争編」。麦わら帽子がトレードマークの海賊少年モンキー・D・ルフィを筆頭に、ロロノア・ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、トニートニー・チョッパー、ニコ・ロビン、フランキー、ブルックら計9名の“麦わらの一味”が「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」をめぐって冒険する途中、次なるステップへの入り口となるシャボンディ諸島に辿り着いて・・・というストーリー。

幕が開けてすぐに、「ONE PIECE」と歌舞伎の相性のよさを実感する。まず物語の冒頭、揚幕(花道の出入り口)から登場した麦わらの一味が花道にずらりと並んだとき、あまりの迫力に圧倒された。やがて本舞台で順番に名乗りを上げていく「つらね」のかっこよさと、歌舞伎俳優ならではの美しい所作に、開幕からわずか10分で“ワンピース歌舞伎”の世界へと惹き込まれていく。

歌舞伎の伝統×最先端の技術が融合した壮大な世界観

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

主人公のルフィといえば、悪魔の実“ゴムゴムの実”を食べたことで体が伸び縮みできるようになったゴム人間。その特性を表現した息ぴったりの腕ダンスや、プロジェクションマッピングの映像と連動した演出など、さまざまな仕掛けでキャラクターの個性を説明していく。

ルフィ役であり演出担当の市川猿之助さんは、「今回LEDパネルを使用することで、よりアニメ感が増しています」とコメントしている。このほか10トンもの水が溢れる中での豪快な立ち回りや、通常公演とは異なるルートで進む宙乗り、紙吹雪とともに舞うフライングなど、まさに何でもあり!なのがスーパー歌舞伎の魅力。

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

ルフィ役の猿之助さんは、男子禁制の島である女ヶ島の皇帝、ボア・ハンコック役も同時に演じている。途中、ルフィとハンコックによる立ち回りの場面では早変わりを披露。一人二役とは思えないほどのスピードで華麗に演じ分ける様子を、会場中が固唾を飲んで見守った。

また、坂東巳之助さんは麦わらの一味の三刀流剣士ゾロ、ルフィの旧友であるオカマのボン・クレー、白ひげ傘下のスクアードという三役を担当。坂東新悟さんは麦わらの一味の航海士ナミと、姉のボア・ハンコック率いる九蛇海賊団のボア・サンダーソニア。尾上右近さんは海底監獄インペルダウンの獄卒長であるサディちゃんと、白ひげ海賊団の一番隊隊長マルコ。中村隼人さんは麦わらの一味のコックでありながら足技を得意とするサンジと、革命軍のイナズマ。このように出演者のほとんどが一人何役もこなしており、こうした配役の仕方にも歌舞伎の習わしが息づいている。

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

昨今“2.5次元”と呼ばれるジャンルが盛り上がりを見せているが、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では役者がそのままキャラクターに扮するのではなく、歌舞伎の決まりごとを違和感なく当てはめている。キャラクターの個性を尊重しながら、身につけている衣装や小道具にもそれぞれの意味を持つ。なかでも市川右團次さんが演じる白ひげは、人間離れした巨体と勇敢ぶりが特徴のキャラクターだが、重厚な扮装と気迫あふれる佇まいが相まって圧倒的な存在感を示していた。

そして舞台中央の大ゼリから登場することでキャラクターの威厳を示したり、花道にあるスッポン(小型のセリ)に注目することで場面転換したり。長い歴史の中で受け継がれてきた歌舞伎の魅せ方が、マンガでいうところのコマ割り効果へ繋がっていると感じた。

客席一体型!アトラクション感覚で楽しめる究極のショー

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

二幕の最後に設けた“Far Far Time(ファーファータイム)”は今回からの新企画。初演時にゆずの北川悠仁さんが書き下ろした楽曲「TETOTE」が流れると、キャストたちは突如として客席へ。ニューカマーランドの住人――性別を超えた新人類(ニューカマー)たちが「あんたたち立ち上がっていいのよ?一緒に踊りましょう!」と観客を煽り、会場中がスタンディングで大盛り上がり。このときに使用する「スーパータンバリン」は、原作者の尾田先生による描き下ろしイラスト付きで900円(税込)。絶対に楽しめること間違いなしのアイテム、ぜひ二幕が始まる前までに購入しておくのがおすすめ。

また、日程限定の公演、若手俳優が活躍する特別マチネ『麦わらの挑戦』も新たな試み。このとき猿之助さんはシャンクス役に回り、ルフィおよびハンコック役には尾上右近さんを抜擢。さらに中村隼人さんはマルコ、坂東新悟さんはサディちゃん役と、通常公演の配役に加えて新たなキャラクターも兼任する。

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で新感覚のエンタメ体験

舞台への取り組みや若手の育成など、伝統を守りながらも新しいことに挑戦し続ける猿之助さん。その想いがたっぷりと詰まったスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では、歌舞伎や演劇の枠をも超えた、今まで観たことのないエンターテイメントが体験できる。少しでも気になっている人はぜひ新橋演舞場へ足を運んでみて!

Write&Photo by:YUKI HORIE

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※記事は2017年10月18日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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