沖縄県・宮古島市 宮古上布の工房を訪ねて(後編)

宮古島の美食を巡る旅は、心まで満たしてくれる素敵な出会いがいっぱい。
おいしかった記憶とともに、島の人たちの笑顔もよみがえって、優しい気持ちでいられそう。
沖縄随一と言われる美しい海でとれた魚介をはじめ、
豊かな自然がはぐくんだ島野菜やフルーツなど、宮古島の美食も、ぜひ堪能して

更新日:2016/12/13

島のめぐみを心ゆくまで

(左)島やさいと野草の島そば粉フリッター 黒豆ごはん800円。あふれんばかりの野菜は、菜種油で揚げていてヘルシー。宮古味噌と島カツオ節のかっちゃー汁付き (右)島そば粉パンケーキ700円。島レモンヴィーガンクリームとドラゴンフルーツソースのマッチングを楽しんで

一年を通じて温暖な宮古島は、島野菜やフルーツの宝庫。無農薬栽培の農家も増えていて、最近は島内産のそば粉まで登場するほど、食材のバラエティに富んでいる。これらの食材をワクワクするような料理に変えてくれるのが、「島野菜デリじゃからんだ」を主宰する小原千嘉子さん。「島の野菜は力強くて、食べると元気をもらえます」と目を輝かせる。オリジナルのレシピで作る料理は、近隣の農家から届く無農薬野菜をメインに、ほぼ100%宮古島の食材を使った体に優しいものばかり。火・水は野菜たっぷりのランチが楽しめて、水・木は「そばカフェ」として営業。宮古島産のそば粉を使ったガレットやパンケーキは、カラフルな見た目にもときめく。

島野菜デリじゃからんだ

TEL.090-1943-7941
沖縄県宮古島市平良字下里1517-2
営業/火・水12:00~16:00、木・金13:00~(カフェのみ、ランチなし) 月・土・日・祝休
アクセス/宮古空港より車で約10分

オレンジとブルーが基調の心和む空間
オレンジとブルーが基調の心和む空間
宮古そば580円
宮古そば580円。トンコツベースのあっさりスープに、もっちりした平打ち麺がよく絡む

島のソウルフードといえば「宮古そば」。沖縄は地域によってそばの特徴が異なり、宮古島ではストレートの平打ち麺にあっさりしたスープがスタンダードとして愛されている。その代表格が「古謝そば屋」だ。1932年創業の老舗製麺所が営むこちらは、オープン前から並ぶ人もいる人気店。そばを出す店は多いけれど、作りたての麺のしずる感や香りを堪能できるのは製麺所直営ならでは。自家製の麺はなめらかでほどよいコシがあり、すすり込むとダシのうまみが口いっぱいに広がる。やわらかく煮込んだソーキ肉をトッピングしたり、炊き込みごはんのじゅーしーと一緒に楽しむのもおすすめ。

古謝そば屋

TEL.0980-72-8304
沖縄県宮古島市平良字下里1517-1
営業/11:00~20:00(LO)水休
アクセス/宮古空港より車で約10分

古謝そば屋
庭の緑が見える店内。テーブルと座敷のほか、カウンターも
島ダコと海ブドウたっぷりの磯丼1580円
島ダコと海ブドウたっぷりの磯丼1580円。小鉢、味噌汁、ドリンク付き

ドライブがてら立ち寄るなら、池間大橋の近くにある「お食事処 すむばり」へ。お目当ては島ダコを使った料理の数々。店内の壁には、タコごはん、タコ丼、墨入りタコ焼きそば・・・と、タコ尽くしのメニューがずらり! しかも冬はタコ漁の最盛期で、地元の漁師さんが素潜りでとったタコが生のまま届けられることも。島ダコは身がやわらかく、うまみも抜群。「宮古の海は遠浅だからタコもの~んびりして、身がやわらかくなるんじゃないかねぇ」と無邪気に笑う女将さん。そんな冗談も、美しい海を見ていると本当に思えてしまう。おすすめの磯丼は、タマネギやニンジンと炒めたタコ、海ブドウ、モズクといった地元の食材を盛り合わせたご当地丼。野菜の甘みとタコの自然な塩味、海ブドウのプチプチした食感がアクセントになり、ごはんが進む。元気なお母さんたちが切り盛りするローカルな食堂は、手作りの料理と一緒にあったかいなにかを与えてくれる。

お食事処 すむばり

TEL.0980-72-5813
沖縄県宮古島市平良字狩俣768-4
営業/11:00~19:00(売り切れしだい終了) 無休
アクセス/宮古空港より車で約30分

お食事処 すむばり
女将の狩俣初子さんを筆頭に、女性だけで切り盛りするアットホームな食堂
ふわふわレアチーズケーキ マンゴーソース450円
ふわふわレアチーズケーキ マンゴーソース450円。宮古島産のマンゴーで作ったソースにうまみがギュッ

宮古島はフルーツの栽培も盛んで、なかでもマンゴーの生産量は日本一。高級品としても知られる宮古島のマンゴーを使ったスイーツが評判のカフェがあると聞いて、宮古島から全長1690mの橋を渡って来間島へ。1周9kmほどの小さな島は、離島らしいのんびりした雰囲気で、時間の流れもゆったり。そんな素朴さに惹かれて移住して来た大島香織さんが始めたカフェが「島茶家ヤッカヤッカ」だ。こちらのスペシャリテは、宮古島産のマンゴーを使った自家製スイーツ。なかでもレアチーズケーキは、完熟マンゴーの甘さをそのまま活かしたソースがやみつきに。マンゴーのほか、島バナナや紅イモを使ったスイーツもあり、野菜たっぷりのスパイシータコライスや宮古牛のコク旨カレーなど、フードも気になるラインナップ。

島茶家ヤッカヤッカ

TEL.0980-74-7205
沖縄県宮古島市下地字来間126-3
営業/11:30 ~ 18:00(LO)木休
アクセス/宮古空港より車で約15分

島茶家ヤッカヤッカ
自然との一体感を大切にした開放的な造り。昨年6月、ビーチハウスをイメージした空間にリニューアル
楽しみがいっぱいの宮古島へ行こう!

楽しみがいっぱいの宮古島へ行こう!

沖縄本島( 那覇市)の南西方およそ300km、石垣島の東北東およそ130kmの距離にある宮古群島。宮古島、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島、多良間島、水納島からなり、なかでもいちばん大きいのが宮古島。亜熱帯海洋性気候に属しているため、冬も温暖で過ごしやすく、宮古上布などの伝統工芸や、マリンスポーツなど、楽しみもたくさん。
全長3540mの伊良部大橋で行ける、伊良部島とセットで楽しむのもおすすめ。2015年に伊良部大橋が開通したことにより、車でもアクセスできるように。コバルトブルーの海はもちろん、ご当地名物の「うずまきサンド」などの食の楽しみや、かわいいカフェに、感動の絶景ポイントもたくさん! 宮古島へ行ったら、忘れずに出かけてみて。

宮古上布の制作体験を!

宮古上布の制作体験を!

今回、前編でご紹介した宮古上布を実際に作ってみては? 「宮古織物工房」や「宮古島市伝統工芸品センター」でも、制作体験を受け付けています。
◆宮古織物工房(体験工芸村内)
◆宮古島市伝統工芸品センター

森をガイドと歩くツアーなど、宮古上布以外の楽しい体験も!

PHOTO/JUNICHI HIRAISHI WRITING/CHIAKI TANABE(Choki!)

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※記事は2016年12月13日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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