上手に付き合う方法は?知っておきたい現代女性のカラダと生理

上手に付き合う方法は?知っておきたい現代女性のカラダと生理

毎月やってくる生理は、女性のカラダにはとても大切なもの。パートナーや職場にも理解してもらいたいけれど伝えにくかったり、同性でも自分以外の症状や悩みのことはわからなかったり。今回は、そんなお悩みを少しでも解決するべく「みんなに知ってほしい現代女性のカラダと生理のこと」をテーマに、オムロン式美人とオズモールが10/18(月)に開催したオンラインセミナーの様子をレポート!

更新日:2021/11/13

あなたはわかる?生理に関するクイズ

Q.現代女性の生涯で経験する生理の回数は?

Q.現代女性の生涯で経験する生理の回数は?

A.450~500回

ホルモンのバランスや、妊娠&産後の授乳中は生理が止まるなどの個人差はあるけれど、生理があるのは平均で10代前半~50代前半までの期間。計算すると一生のうち6年間が生理の日という計算に。出産する回数が多かった戦前の女性は、生理を経験する回数はもっと少なかったと考えられている。

Q.生理中の総出血量は正常範囲でどれくらい?

Q.生理中の総出血量は正常範囲でどれくらい?

A.20ml~140ml

これは日本産婦人科学会で正常とされている数値。ナプキンを1時間ごとに取り替える、昼間でも夜用ナプキンが手放せないなどの自覚症状がある人は子宮筋腫などの可能性も。一方、少なすぎても排卵がうまくできていない可能性があるので、定期検診や毎日の基礎体温チェックがおすすめ。

Q.一生の間に分泌される女性ホルモンの量は?

Q.一生の間に分泌される女性ホルモンの量は?

A.ティースプーン1杯分

女性ホルモンとは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)のこと。ほんのわずかな量に思うけれど、女性らしい体つきや、髪や肌のうるおいを守る、自律神経を整える、体内の水分を保つ、妊娠を維持するなどさまざまな機能がある。

本当は身近な人に知ってほしい!働く女性の生理の悩み

いまさら聞けない「生理の基本のキ」

いまさら聞けない「生理の基本のキ」

セミナー講師である、産婦人科医/医学博士の対馬ルリ子先生によると、月経(生理)は女性の体が周期的に妊娠に備えて準備するために起こるライフサイクルで、受精卵が着床しやすいように準備された子宮内膜が、妊娠しなかった場合に剥がれて血液と一緒に排出されるもの。

生理初期に起こりやすい下腹部の痛みは、子宮が収縮することによるもの。生理直後にエストロゲンが増える「卵胞期」は心も体も順調に過ごせるという人が多いよう。一方、プロゲステロンが増える「黄体期」は体が妊娠に備え始めるため、むくみや食欲増進、だるさなどに加え、心の不調も感じやすくなる。

生理について他人にも理解してほしいと思う人がほとんど

ただし、こうした自覚症状は個人差が大きく、なかなか他人に理解してもらうのは難しいもの。オムロン ヘルスケアが行ったアンケートによると、他人に生理に関して理解してもらいたいかという質問に対し「同性の友人や職場の同僚に理解をしてもらいたい」は73.3%、「異性に理解をしてもらいたい」は 87.7%という結果に。

セミナー参加者からも「生理痛で休むときに会社には理由を言いづらいので、もっと言いやすくなるような環境になってほしい」(沙耶さん)や、「家庭内で女性が自分だけなので、周期的にイライラする理由や対処法を知ってほしい」(SHIONさん)などの声が。
「可能であればPMSや生理中の症状について身近な人と話し合う時間を持つとか、低用量ピルを服用するなど治療するのもひとつの手段です」(対馬先生)

生理について他人にも理解してほしいと思う人がほとんど
アンケート:2021年9月 オムロン ヘルスケア調べ N=300
月経痛(生理痛)は治療が必要な病気

月経痛(生理痛)は治療が必要な病気

そもそも月経のある女性のうち月経痛など月経中の不調は90%、イライラや落ち込みなど、月経前に起こるさまざまな身体&精神的な不調は80%が感じていて、月経前症候群(PMS)と診断されるほどひどい人は10%いると言われている。こうした不調に有効とされているのが、低用量ピルやHRT(女性ホルモン補充療法)などの治療法。低用量ピルは、子宮がんや卵巣がんなど女性特有の病気を予防する効果もあるとして世界的に服用されている。このほか、体質や症状に合わせた漢方薬やメンタル系薬剤を服用することで症状が軽減することは多いそう。

「なかには日常生活に支障が出てしまうほど辛い人もいます。そんなときはひとりで我慢したり、『こんなことで・・・』と思ったりせずに、遠慮なく病院で受診してくださいね」(対馬先生)

気軽に相談できるかかりつけ医を持とう

生理が始まった頃から20代までは2年に1度の婦人科検診を、 30歳からは通常の婦人科検診+乳がん検診を毎年受けることを推奨する対馬先生。

「現代女性は出産回数が減ったことで、子宮内膜症や子宮体がん、卵巣がん、乳がんなど女性特有の病気に対するリスクが高くなったといわれています。定期的に検診を受けることで、ちょっとした体の変化や不調にも気づきやすくなります。自分の体質に合う薬や飲み方を見つける、自分が産みたいときに産む、更年期や閉経後のケアなども含めて、気軽に相談できる“かかりつけ医”を持つことはとても大切です」(対馬先生)

気軽に相談できるかかりつけ医を持とう
現代ならではの生理との付き合い方とは?

現代ならではの生理との付き合い方とは?

近頃話題になっているのが、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス「フェムテック(FemTech)」。吸水ショーツや月経カップなどの新しい生理用品や、膣ケア、月経周期管理アプリなどさまざまなアイテムが発売されている。
ほかにも、カウンセリングやアロマセラピーでリラックス効果を促す、膣トレや骨盤底筋体操などの運動療法、イソフラボンやマカなど女性ホルモンに働きかけるサプリを取り入れる、膣レーザー治療や膣外陰形成手術など、月経に関連した不調を軽減するための方法はさまざま。

「大切なのは、たくさんある情報を正しく理解し、自分のライフスタイルに合わせて活用する“ヘルスリテラシー”を身に着けること。どんな時も自分らしく過ごせるよう、セルフケアを取り入れてみてください」(対馬先生)

対馬先生がみんなの疑問を解決!生理にまつわるQ&A

Q.生理中でパートナーが苦しんでいるとき、どんなことができますか?

A.痛みがあるので、ストレスなくゆったり過ごせるように工夫してあげるといいと思います。お風呂やカイロで体を温めるほか、ストレッチも有効です。食事の面ではショウガなどの体を温める食材や、鉄分が摂れる食材を取り入れることを意識してみてください。頭痛がある場合は、頭を冷やして涼しいところで横になって休むといいですよ。
パートナーと生理や将来の妊娠、更年期について話し合える関係はとても素敵ですね!

Q.以前婦人科で「あなたの体質にピルは合わない」と言われました。ピルが合わない人っているんでしょうか?

A.ピルはエストロゲンとプロゲステロン、2つの女性ホルモンを配合して作られているのですが、最近ではエストロゲンの量が違うものなど、目的に合わせてさまざまなピルが発売されています。化粧品と同じように、体質に合うものが必ず見つかると思いますので、ぜひもう一度相談してみてください。安全な環境で見つけられるよう、私たちも精いっぱいサポートします。

Q.更年期障害について教えてください。個人差が大きいと聞きますが、今からできる対策はありますか?

A.更年期とは閉経をはさんだ前後5年、約10年間の時期を指します。この時期に起こる症状は頭痛やめまい、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、メンタル的な不調など本当にさまざまですが、大切なのは女性ホルモンの仕組みを知っておくこと。若いうちから月経を上手にコントロールできれば、更年期は怖くありません。
更年期のケアにも婦人科は対応していますので、早めに相談できるかかりつけ医を見つけておきましょう。

教えてくれたのは対馬ルリ子先生

教えてくれたのは対馬ルリ子先生

困ったとき、不安なことがあるときに気軽に相談できる「かかりつけ医」でありたいと話す対馬先生は、女性医療の第一人者としてメディアなどでも活躍中。

「初潮を迎えたばかりの若い方から、働く女性、妊娠・出産、更年期、老年期・・・女性の長い一生に寄り添いながら、一緒に女性のウェルビーイング(心身と社会的に健康であること)を応援したいと思っています。なんでも相談してくださいね!」

対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長 産婦人科医/医学博士

1984年に東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック現 対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)を開院、院長を務める。
2003年には、全国600名の女性医師・女性医療者と連携し、女性の心と体、社会との関わりを総合的にとらえ、健康維持を助ける医療(女性外来)をすすめる会「女性医療ネットワーク」を設立するなど、女性の生涯にわたる健康のための情報提供、啓発活動等を活発に行っている

女性の美と健康を応援する「オムロン式美人」

「オムロン式美人」は、オムロン ヘルスケア株式会社が「健康で美しくありたい」という女性たちの健康と活躍を支援するために、2009年にスタートしたプロジェクト。

女性の社会進出、結婚・出産といったライフスタイルの変化や価値観の多様化に加え、月経や更年期など女性特有の体の変化という条件の両面に対応しつつ、「健康で美しくありたい」という女性たちの思いをサポート。

WEBサイトでは、Q&Aを中心に、月経/妊娠・出産/更年期/ライフスタイルの4つのパートから情報を発信中。

まずは、これから始めてみよう!
毎日の体調管理に「基礎体温」チェックがおすすめ

基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるときの体温のことで、毎朝、目覚めて活動する前に計測するのが一般的。継続的に記録することで自分のカラダの状態を知り、「そろそろPMSが始まりそう」など、いまの自分に合わせたケアをする上でも大切な役割を果たしてくれる。

わずか10秒で測定できる婦人用体温計。基礎体温管理アプリと連動して測定結果を管理できるスグレモノ。まずは毎日の体調管理として始めてみて。

  • LINEで送る

WRITING/MINORI KASAI

※記事は2021年11月13日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

TOP