食べられるバラを栽培する【ROSE LABO】インタビュー記事

バラに魅了されて新品種も開発!埼玉県深谷市で無農薬の“食べられるバラ”を栽培する「ROSE LABO」代表・田中綾華さんに迫る

更新日:2019/05/14

埼玉県深谷市にある自社農場で“食べられるバラ”を育て、新品種「24」の開発や、コスメ、コンフィチュールなどの加工食品も展開する「ROSE LABO」代表・田中綾華さん。女性の心を癒し、励まし、輝かせるバラのパワーに魅了され、土、農薬を使用しない、健康と美容に考慮した食べられるバラの栽培にチャレンジしている。365日バラと真摯に向き合う若干25歳の田中さんに、バラへの思いとオリジナル商品についてお伺いしました。

PHOTO/MIKI TANABE(Hanajikan)

自ら農場で作業する、笑顔の素敵な「ROSE LABO」の代表取締役・田中綾華さん

田中綾華さんが「食べられるバラ」の
栽培を始めたきっかけは家族の存在

美と幸せの象徴として、幼少期からバラを身近に感じていたという田中さん。「バッグと靴の製造・販売の会社を切り盛りしながら、女手で7人の子供を育てたアグレッシブな曽祖母がバラ好きだったんです。お庭での栽培だけでなく、洋服や食器などもバラ柄を愛用していた記憶が色濃く残っています」。そんな田中さんが将来について悩んでいた大学時代、「食べられるバラがあるのを知っている?」という母のひと言がバラ栽培への第一歩になったという。

大学を中退し、ネットで見つけた食用のバラを栽培する農家に住み込みの修行へ。通常、香りが強いバラを虫から守るためにはたくさんの農薬が欠かせない。そのため無農薬のバラを育てるには、手間はもちろん、“命を預かっている”という保育士のような責任感が大切なのだそう。

「バラにはビタミンCやポリフェノールなどの栄養成分が含まれていることや、“女性を創るホルモン”ともいわれるエストロゲンの分泌を促す作用があることも知ったんです。バラを通して多くの女性に美しく、健康になれるバラの商品を届けたい!という思いが募り、22歳で起業しました」。

埼玉県深谷市の自社農場には可憐なバラが彩る

自社農園で無農薬、無土で育てる
「食べられるバラ」の栽培の秘密は?

ファーストフードでのアルバイト経験しかなかった田中さん。農地探し、ビニールハウスを建て、資材を搬入し、そして植栽まで、母のサポートを受けながらすべて自分たちで行ったそう。

「基盤には、虫がついたり、土壌病害などを避けるため、土に代わる培地として農地用ロックウールを使用しています。植物の根をしっかりと支え、十分な水、酸素、肥料等を吸収しやすくさせる役割があるんです。ビニールハウスには遮光カーテンを取り付けることで夏場の紫外線を防止しています」。

苗を植えた後は、養液制御装置を使い、設定した時間に専用器具で養液を供給することで1年中安定したバラの栽培を実現。気温、湿度、日照時間などの統計を見ながら、田中さんが水と肥料の随時配分している。

「スタート時は、肥料のバランスを間違ってしまい、バラを枯らしてしまった辛い経験があります。平日はバラ栽培をしながら、土日に農業の専門学校に通って学び直すことで、自分ならではの栽培を習得することができました」。

ピンクとホワイトのグラデーションが美しい新品種「24」

新品種「24」の開発に成功!
女性に嬉しい効能がいっぱい

何万品種あるバラの中で、田中さんが選び、自社農場で栽培しているのは4品種。「花びらが厚く日持ちするためレストランで喜ばれるサムライ、フルーティーな風味のルージュロワイヤルは洋菓子屋さんに人気。とくに香りが強いイブピアッチェは香水に最適です。私が一目惚れしたホワイトチャーミングは、栽培が難しいなかで開花に成功し、大輪の白く美しい花を咲かせてくれます」。

そして、バラには美容効果がある!ということを実証するため、コスメライン専用に2年越しで開発したのが新品種「24(トゥエンティーフォー)」。「自社で栽培するバラよりもビタミンAが10倍以上、ビタミンCは2倍以上(※)含んだ品種で、清潔感と女性らしさが共存する瑞々しい爽やかな香りを放ちます」。もともと美容にも関心が深かった田中さんが中心となり、5000パターンの交配を経て誕生した新品種は、白とピンクのグラデーションも特徴的。

(※)日本食品機能分析研究所の成分分析結果による

「食べられるバラ」を使用したアイテムをご紹介

右から、「コンフィチュールローズ」1944円、「コンフィチュールベリー×ローズ」「コンフィチュールピーチ×ローズ」各1512円・120g。フランスパンやクラッカー、無糖ヨーグルト、バニラアイスにのせて。カップの中で花びらが舞う「ローズティー」と一緒に味わうとより華やかに

体の中からキレイになれる
コンフィチュール&ティーリーフ

“食べて美しく”をコンセプトにしたオリジナルの食品も展開。サムライやルージュロワイヤルのローズしっかり煮込んだ「コンフィチュールローズ」は、花びらが15枚以上入っているので、味覚・視覚・嗅覚で楽しめる。「ダージリンティーなどの紅茶にお砂糖替わりに入れると、花びらがふわっと舞い上がりローズティーに様変わりします」と田中さん。ベリー×ローズ、ピーチ×ローズのフレーバーもあり、合成着色料は不使用。

自社栽培のバラと有機JAS認定のオーガニック素材のみを使用した「ローズティー」は、バラのほのかな香りとオレンジ色に輝くティーで至福の時間を過ごせる。缶入りのティーバック(1620円・1.5g×5個)と、リーフが見えるコルク瓶パッケージ(2160円・13.5g)の2タイプ。ノンカフェインの「ローズハーブティ」は、レモングラスが香りスッキリとした味わい。同様に、缶入りのティーバック(1728円・1.5g×5個)とコルク瓶パッケージ(2160円・9g)。ギフトボックス入りもあるので、女性への手土産にもぴったり。

コスメ
右から、ローズウォーターにオイル層20%を配合した2層式の化粧水「ナチュラルレインR」3456円・50mL、W洗顔不要のクレンジングバーム「ナチュラルオフバームR」4320円・80g、余計な油分をオフして、柔らかな肌へ導く全身用固形石鹸「ナチュラルソープR」1944円・100g

天然由来成分豊富なコスメで
美肌と開花力をアップ!

新品種「24」のエキスやローズウォーターを贅沢に配合したオリジナルコスメシリーズ「24 ROSE COSMETICS」。天然由来成分84%(自社基準に準ずる)以上にこだわり、24時間女性の美しさをサポート。「バラは1日1日の積算温度が重要ですが、女性の生き方やお肌のコンデションも1日1日が大切。毎日を積み重ねて美しく開花してほしい、という思いを込めて多彩なお花のエキスを抽出したコスメを作りました」。

美白と潤いにこだわる敏感肌の田中さんならではの発想で生まれたコスメを3種ご紹介。洗顔後の保湿をはじめ、室内の乾燥やリセット時に、肌、首、デコルテ、ヘアにも使える化粧水「ナチュラルレインR」。スリムタイプなので携帯にも便利。ハチミツやローズエキスを含むピンクの潤い層と、ミルクとシアを配合したホワイト層がクリアな肌へ導く「ナチュラルソープR」は日焼け後の肌にも最適。落としにくいマスカラなどのポイントメイク落としにもおすすめなのが「ナチュラルオフバームR」。どれもローズのほのかな香りが心を癒し、パワーを与えてくれる。

上記でご紹介のコスメや加工食品は、下記の伊勢丹新宿店本会地下2階「ビューティーアポセカリー」、GINZA SIX 4階「#0107 PLAZA」などで取り扱い中。また、すべて「ROSE LABO」オンラインショップでも購入できる。

2019年5月19日(日)15時からは、西武池袋本店池袋7階催事場「バラぐらし~素敵なバラに包まれて」にて田中さんが登壇するトークショーも開催予定。手がける農業や商品の魅力だけでなく、真摯に栽培・研究に向き合い、日々バラへ愛を注ぐその田中さんの姿からもきっとたくさんのパワーをもらえるはず。

「ROSE LABO」代表取締役・田中綾華さん

「ROSE LABO」代表取締役・田中綾華さん

大学中退後、バラ農家で修行をし「ROSE LABO」を起業。2015年、22歳の時に埼玉県深谷市で約1000坪の農園で無農薬のバラ栽培をスタート。栽培施設、生産、出荷過程から自社で運営することで一貫した品質管理を行っている。栽培したバラを使ったコスメ・コンフィチュールの商品化のほか、日本の脳表の素晴らしさを伝えるための活動も積極的に発信している。

ROSE LABOオンラインショップ
https://www.roselabo.jp/
ショップ情報
■「ビューティーアポセカリー」伊勢丹新宿店
住所/東京都新宿区新宿3-14-1 地下2階
TEL/ 03-3352-1111(代表)

■「#0107 PLAZA」GINZA SIX
住所/東京都中央区銀座6-10-1 4階
TEL/03-5537-5617

WRITING/NAOMI TERAKAWA、PHOTO/MIKI TANABE(Hanajikan)

※記事は2019年5月14日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります