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知らないと損!?申請すればもらえる給付金・助成金について、わかりやすくFPが解説

更新日:2020/05/10

世の中にある、さまざまな給付金制度。申請して始めてもらえる給付金制度もあり、知らないと損をしてしまうかも? 知っておきたい給付金・助成金制度について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに聞いてみました。

学びや資格取得には「教育訓練給付」

学びや資格取得には「教育訓練給付」

社会人にとって、多くの人が利用できる可能性が高いのが、資格取得などの学びに使える「一般教育訓練給付」。厚生労働大臣が指定する対象講座を受講して、期間内に修了した場合に、本人が負担した受講料等の一部が払い戻されるという制度のこと。

では、どんな人が対象になるの?
「対象者は、受講開始時に雇用保険に加入して3年以上(初めての利用の場合には1年以上)の人、離職したから1年以内の人で、前回の利用から3年以上たっている人です。講座の受講等にかかった費用の20%(最大10万円まで、4000円以下なら対象外)のキャッシュバックが受けられます」(氏家さん)

また、より専門的に学びたいという場合には、「専門実践教育訓練給付」もあるそう。
「こちらは看護師、介護福祉士、保育士などの業務占有資格や名称専用資格、専門職大学院などで受ける専門的、実践的な教育訓練に対象が限られますが、必要経費の50%(年間上限40万円)を原則2年(最大3年)支払われます。雇用保険に加入して3年以上(初めての場合には2年以上)の人、離職してから1年以内の人で、前回の利用から3年以上たっている人が対象です。
どちらも詳しくはハローワークに問い合わせてみてください」と氏家さん。

最大50万円が受け取れる!すまい給付金

最大50万円が受け取れる!すまい給付金

すまい給付金は、住宅を買う人が利用できる給付金の制度。収入が一定以下の人が、床面積が50㎡以上ある家を自宅として購入して、令和3年12月までに引き渡しと入居が完了した場合が対象になるそう。

「給付額は最大で50万円ですが、所得や扶養家族の人数、対象となる住まいの持ち分などによっても異なります。例えば、ひとり暮らしで年収500万円の人が、100%の持ち分でマンションを購入した場合には、30万円の給付金をもらえます。共働きで、年収600万円の夫の持ち分が6割、年収400万円の妻の持ち分が4割の場合、夫が12万円、妻が16万円、2人合わせて28万円の給付金をもらえます。自分の給付額が気になる方は、専用サイトでシミュレーションができますので確認してみてください。なお、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合には、すまい給付金と合わせて『住宅ローン控除』も受けられます」(氏家さん)

高額な費用がかかる不妊治療をサポートしてくれる「特定不妊治療助成」

高額な費用がかかる不妊治療をサポートしてくれる「特定不妊治療助成」

「特定不妊治療助成」は高額な費用がかかる体外受精、顕微授精などの特定不妊治療にかかる費用を助成する制度で、都道府県や指定都市等が窓口になり、1回あたり15万円を上限に支払われる。

助成を受ける際に注意しておきたいことはある?
「注意点が2点あります。ひとつめは所得制限があること。前年の所得の夫婦合計額が730万円までなら対象です。年収ではなく所得という点がポイントです。会社員の場合、年収から給与所得控除と、各種控除(社会保険料控除、基礎控除、医療費控除など)を差し引いた額が所得です。計算が難しい場合には、市区町村の窓口で『課税証明書』を取得しましょう。『合計所得金額』の欄を見れば、所得がわかります」と氏家さん。

では、ふたつめの注意点は?
「ふたつめは、妻の年齢によって上限回数が異なること。初めて助成を受けるときの妻の年齢が39歳以下であれば最大6回まで、40歳以上43歳未満であれば最大3回まで、43歳以上の場合には助成の対象外となります。不妊治療は年齢が上がるほど難しくなるといわれているため、このような年齢制限が設けられています」(氏家さん)

ただし、新型コロナウイルス感染症の影響に配慮して、不妊治療の延期が求められており、厚生労働省は「令和2年度に限り不妊治療費助成の上限を44歳に引き上げる」ことを決定している。
「自治体によって所得の上限を拡大したり、支給額を上乗せしていることがあります。対象となる指定医療機関も事前に確認が必要です。詳しくはお住まいの都道府県等で詳細を確認してください」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2020年5月10日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります